HIV

HIV(Human Immunodeficiency Virusヒト免疫不全ウイルス)というウイルスが、人間の血液に入って起こる感染症がエイズです。

HIVは、CD4陽性細胞(リンパ球の一種で、細菌やウイルスなどの病原体から身を守る「免疫」の働きをする細胞)に入り込んで、CD4陽性細胞を破壊(平均2.2日で破壊)していきます。
しかし、HIVに感染してもすぐに免疫の力は弱くなりません。
CD4陽性細胞は壊されてもすぐに新しく作られるからです。

感染初期は、自覚症状もほとんどありません。
したがって、検査を受けない限り、感染者自身もHIVに感染したことに気付きません。
感染していても特徴的な症状が出ていない人をHIV感染者といいます。

HIV感染者の体内では、数年から10数年かけて、HIVが徐々に増えていき、新しく作られるCD4陽性細胞よりも壊されるCD4陽性細胞が多くなるために免疫の働きが少しずつ低下していきます。
このため、健康なときにはかかりにくい感染症や悪性腫瘍にかかったりします。
こういう病気にかかった状態を、エイズ(AIDS:Acquired Immune Deficiency Syndrome後天性免疫不全症候群)といいます。

潜伏期間(感染してから症状出るまでの期間)

急性期:2~6週間
AIDS発症:5~10年

感染部位

全身

症状

急性期

発熱、リンパ節腫脹、咽頭痛、皮疹、筋肉痛などのインフルエンザ様症状

AIDS発症期

ニューモシスチス肺炎やカポジ肉腫といった23種類のAIDS発症の指標疾患

検査

血液検査(迅速検査、通常検査、確認検査)
※感染機会から4週間経過していれば検査可能(ただし、3ヵ月以上経過してから検査する方が精度は高くなる)

治療

抗HIV薬(エイズ治療拠点病院に紹介させていただきます)